『下駄』の和風・浮世絵風イラストの描き方3ステップ

下駄 和風・浮世絵風イラスト 描き方 Kenji Iwasaki 岩崎健児

こんにちは。

今回は『下駄(げた)
浮世絵風イラストの描き方を
説明していくっす!

 

江戸当時、庶民の履物は
草履か雪駄(せった)であり、
下駄は雨の日に足を濡らさない為の
履物として知られていました。

『下駄』の歯が高いのは
雨よけのためだったんですね。

そのうちにオシャレとして
『下駄』を履くことが流行し、
晴天時にも『下駄』を着用する習慣が
庶民の間に広がりました。

種類も豊富になり、
“オシャレは足元からッ☆”
地でいっていたようです。

 

さてそれでは、
浮世絵風イラスト講座:『下駄』編
スタートです!

 

浮世絵風の下駄の土台の描き方

下駄 和風・浮世絵風イラスト 描き方 Kenji Iwasaki 岩崎健児

『御あつらへ三色弁慶』歌川国貞

今回のお手本となるのは
歌川国貞のコチラの浮世絵の一部。

『煙管(きせる)』編の時もお世話に
なった浮世絵で、小物まで丁寧に
描かれている作品なので
お手本として中々使い勝手が良いっす。

 

今回はお手本通りに
下駄といえばこの形の、
『高下駄(たかげた)を描いていきます!

(ちなみに“歯”がもう少し低いと
『日和下駄(ひよりげた)』と呼びます)

 

『下駄』 和風・浮世絵風イラスト 描き方 Kenji Iwasaki 岩崎健児

『日和下駄(ひよりげた)』

木の部分は、
板を垂直に組み合わせた形なので
よく観察すれば基本形は
すぐに描けるかと思います。

板の角度を意識しながら、
四角形同士を立体的に
組み合わせていきます。

足を置く土台部分は
長方形でも楕円形でもどちらでも
構わないのでお好みで!

 

上の写真を見ると、
足を置く土台部分は
つま先方向がやや長く
作られています

これは人体の重心を安定させる為の、
職人さんの素晴らしいCHIE
僕も今回初めて知ったっす。

お手本の浮世絵では
前後の長さは均一ですが、
今回はやや実物っぽく描くために
つま先部分を縦長に広く残してみます。

もちろん前後均一でも
描き方は変わらないので、
そこはお好みで大丈夫です!

 

2つの“歯”部分は、
土台部と同じ厚さで描きます。

“歯”同士は適度な間隔をあけて、
先程のつま先方向の余白を
意識しながら位置を調整していきます。

高さは“やや高く”を意識します!

『下駄』 和風・浮世絵風イラスト 描き方 Kenji Iwasaki 岩崎健児

これで木材部は完成です。

次は足を固定するための
鼻緒(はなお)をプラスして
いきます。

 

鼻緒はふっくらS字が浮世絵風

『下駄』 和風・浮世絵風イラスト 描き方 Kenji Iwasaki 岩崎健児

『下駄』の見た目や足そのものを
引き締めるV字の鼻緒。

このV字の頂点の位置は
土台板の横幅の中央にくるように、
V字の両端は、
それぞれ2つの“歯”の中間の真上に
配置していきます。

 

位置が決まったらそれに沿って
鼻緒を描いていきますが、
ここでググッと浮世絵風に近づける
重要なポイントがあります。

 

それは、
必ず鼻緒に動きをつけること

 

お手本を見てもわかる通り、
鼻緒がゆったりとS字を描いています。

鼻緒は足を固定しているので、
本来であればややきつく締まるべき
なのですが、
ここに動きを持たせることで
浮世絵特有の“ユルさ”表現されています。

『下駄』 和風・浮世絵風イラスト 描き方 Kenji Iwasaki 岩崎健児

今回は足は描かないので、
なおさら鼻緒はユル〜く描きましょう。

『下駄』 和風・浮世絵風イラスト 描き方 Kenji Iwasaki 岩崎健児

片方も描いてみました

輪郭線+黄色で浮世絵風の色味をプラス

仕上げに着色していきます。

お手本の浮世絵では、
黒の主線にかぶせるように
黄色のラインが描いてあります。

この黄色ラインをプラスすることで
木材の温かみを表現することが
できます。

 

地の木材部は、
肌色や薄い茶色などの
あまり主張しすぎない色で
塗ります。

これにより、
キーとなる黄色のラインが
より引き立ちます。

あまり濃い色を地色にしてしまうと
イラスト全体が重く沈んだ印象に
なってしまうので注意っす。

 

一方、鼻緒はお好みの色で塗って
個性を出してみましょう!

下駄 和風・浮世絵風イラスト 描き方 Kenji Iwasaki 岩崎健児

この他にも、
『下駄』の種類はたくさんありますが
どれも基本形は単純なので
よく観察することで様々な『下駄』を
描くことができます。

左:『日和下駄(ひよりげた)』 右:『駒下駄(こまげた)』 『下駄』 和風・浮世絵風イラスト 描き方 Kenji Iwasaki 岩崎健児

『下駄』は、
今回のお手本の浮世絵以外にも
様々な作品に登場しています。

どんな『下駄』が江戸時代に
履かれていたのかを調べてみる
だけでも浮世絵風イラストの
バリエーションが広がると
思うっす。

 

そんなこんなどんなで、
今回のおさらいはコチラ!

・正確な立体形を意識しながら仕上げる

・鼻緒部分は必ずユルく動きをつける!

・黒線+黄色線で木の温もりを表現する

 

いかがでしょうか。
粋でいなせなイラストが
描けましたでしょうか?

是非、楽しんで描いて頂ければ
幸いです。

 

それではまた次回!

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