【浮世絵つき】映画『スカイライン-奪還-』を3分レビュー

映画 浮世絵  イラスト スカイライン 奪還 beyond skayline Kenji Iwasaki 岩崎健児 ukiyoe かっこいい 日本風 イラストレーター 筆ペン

 

こんにちは、IWAっす。

今回の浮世絵付き3分映画レビューは
『スカイライン-奪還-』です。

 

前作の大ファンであるIWAは
涎を垂らしてこの続編を待ち望んで
いたっす。

その結果、
仰天同地の今作の展開
文字通りスクリーンに目が吸引されっ放しの94分間でした。

※ネタバレは多め

『スカイライン-奪還-』作品データ

もはやカルト的人気を誇る
2010年『スカイライン-征服-』の
7年ぶりの続編。

主にそのラストに賛否両論が別れた
前作でしたが、
真昼間にエイリアンが暴れまわる
見事なVFXは概ね評価され、
製作費1000万ドルの制作費に対し
6000万ドルというこれまた見事な興行成績を叩き出しました。

 

そんな前作でもお墨付きなVFXを
担当したのは今回もハイドラックス・スタジオ。

このハイドラックスは
『征服』の監督である
グレッグ・ストラウス、
コリン・ストラウスの兄弟が
2002年に設立した視覚効果スタジオ。

『T3』、『300<スリーハンドレッド>』、
『アバター』、『アベンジャーズ』
などの堂々たる大作たちのVFXを
担当してきた怪物スタジオです。

 

監督は前作の脚本を担当したリアム・オドネル。

製作にストラウス兄弟を据え、
正真正銘の
“『スカイライン』ファミリー”で
7年ぶりの続編に挑む。

 

あらすじ

妻を亡くし休暇中だった刑事のマーク(フランク・グリロ)は、喧嘩で補導された息子トレント(ジョニー・ウェストン)を引き取りに久しぶりに職場を訪れる。
地下鉄での帰路の最中、2人は線路内の電気トラブルに見舞われる。運転手オードリー(ボヤナ・ノヴァコヴィッチ)と他の乗客と共に地上に脱出を試みるが、そこは謎の青い光を用い人間達を吸引するエイリアンの母船が飛来していた…。

こんな『スカイライン』を一体誰が予想しただろう

前作と同じ時間軸で展開する
今作を一言で表現するならこうだ。

“最高級の食材と香辛料を加え、
自分の好きな具材を入れまくって
じっくり熟成した結果、
見たこともない異国籍料理が完成”

しかも美味!である。(二言目)

 

揺るぎないテーマ性

前作の
『スカイライン-征服-』は、
タワーホテル内でエイリアンの攻防を
描いた一種の密室劇だった。

閉塞された空間そのものを、
仕事もプライベートも煮え切らない
内省的な主人公の心情の比喩として
描きながら、
最終的に姿を変えられた主人公が
それでも守るべきものを取り戻す
というある種のハッピーエンドで幕が下りる。

 

この、
“停滞した現状に一撃を加える”という
テーマは今作『スカイライン-奪還-』
にも受け継がれ、
特にトレントの”覚醒”シーンには
顕著にそれが見て取れる。

母を失った悲しみを、
喧嘩でしか解消できなかった彼が
自らの強い意志で現状を打破する
シーンではフラッシュバック演出も
相まり今作最大の見せ場となっている。

(ちなみにIWAはここで大号泣)

 

マークにおいても、
指輪と共に執着していた妻への
思いをこの戦いにおいて消化し、
人類の新たなる希望となる少女に
妻の名と指輪を託すことで、
酒漬けの現状を打破してみせる。

 

何かと脱線気味な今作ではあるが、
この一貫したテーマがあるからこそ
最終的には観客の共感を集められる
作りになっている。

今作は纏うことなき、
『スカイライン-征服-』の遺伝子作品だ。

 

監督が本当にやりたかったこと

観客誰もが度肝を抜かれるのは
前半部と後半部の作品そのものの
ジャンルの違いだろう。

前半部においては、
前作よろしくLAの都市部において
エイリアンからの逃走劇が展開される。

これはいわば、
前作の雰囲気を踏襲した
『-征服-』ファンへの接待で、
監督が今作で本当にやりたかった事は
後半部分のラオスでの武術シーンだろう。

 

その証拠に、
リアム・オドネル監督は
以下の様に語っている。

(コンサルを担当した)『AVP 2』での経験をベースに、楽しみながら自由に作ろうと考えた。激しいアクション、ホラー、SF、怪獣と好きな映画の要素を全て盛り込むことにした。
『BEYOND SKYLINE』劇場用パンフレットより引用 東急レクリエーション発行

このように、
後半部でスア(イコ・ウワイス)や
チーフ(ヤヤン・ルヒアン)が
披露するインドネシアの
伝統武術シラッド
完全に監督の趣味であり、
本筋には直接関係ないことは火を見るより明らかだ。笑

しかし終盤、
彼らがこのシラッドを用いて
シリーズ中初めて
エイリアン(パイロットと呼ばれる)に
反撃するシーンには胸熱を禁じ得ず、

うおおお尊厳の”奪還”だああああ!」と
心の中で諸手を挙げて喜んだのは
場内でIWAだけではないはず。

 

このように、
“やりたいこと”を詰め込み過ぎても
作品的なテーマを一本通すだけで
こんなにもSF作品は面白くなる
ということを、
『スカイライン-奪還-』は教えてくれる。

SF作品の新たなテンプレートを
また一つ更新してしまった
恐るべき(愛すべき)作品であることは間違いない。

作り込まれたマザーシップの内部や
相変わらず好調なクリーチャーVFX
などの観客の見たい部分はしっかり
作り込み、
新しい要素に惜しげもなく挑戦する
今作を自分自身物の作り手として高く評価する。

 

「「馬鹿すぎ!アツすぎ!おもしろい!」」

 

まとめ

今回の浮世絵付き3分映画レビュー、
『スカイライン-奪還-』のまとめは
こちら!

・前作のラスト肯定派なら今すぐ観るべし

・”現状打破”という物語的・シリーズ的テーマが合致した、まさにBEYOND SKYLINE(『SKYLINE』の超越系)

・女性登場人物の見せ場がもっと欲しかった

 

以上、是非参考に!

それではまた次回。

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