【浮世絵付き】『ブレードランナー2049』を3分でレビュー

映画 ブレードランナー2049 浮世絵風 和風 かっこいい 日本風 イラストレーター 筆ペン 似顔絵 Kenji Iwasaki 岩崎健児
奇跡が見たい! IWAっす!

今回は『ブレードランナー 2049』を
和風・浮世絵風イラスト付きで
3分でレビューっす!

 

1982年『ブレードランナー』の35年ぶりの続編っす。
ちなみに1作目の時代設定は2018-19年で、今作まで劇中では約30年が経っているっす。

カルト作の帝王である前作。
IWAが初めて前作を観たのは、大学をサボってTSUTAYAさんに入り浸っていた頃っす。
初見時は「なんだこの世界は!」と、その雑多で絶望的未来感に魅了されたっす。

そんなIWA&世界中のブレランファンの期待と不安とを受けて完成した今作。
果たしてどのような未来を提示してくれたのか!?

 

それでは3分レビュー!
ローイ・バッティー!

 

※作品核心に触れる記述は多め

世界においての自分の役割とは

ロサンゼルス市警のブレードランナーである”K”(ライアン・ゴズリング)。
違法レプリカント“ネクサス8型”の解任を任務としている彼もまた、レプリカントの最新型“ネクサス9型”であった。
ある違法レプリカントを処理したことから、”K”自身の出自に関わる巨大な秘密に突きあたる。
鍵を握るかつての敏腕ブレードランナー、リック・デッカード(ハリソン・フォード)との邂逅により人類史を揺るがす陰謀の幕が開くのだった。

 

冒頭の農場でのシーン。
サッパー・モートン(デイブ・バウティスタ)の言葉にギョッとする。

 

「お前たち新型」

 

新型、ということはレプリカントがレプリカントを裁いている。
人間は自分の姿に似せた創造物に同族殺しをさせているのだ。
一体、これ以上のディストピアが存在するだろうか。
いかに作品内の倫理的病理が深刻化しているのかが分かり、愕然とした。

 

”K”は違法とされるレプリカントたちを裁いているにも関わらず、彼自身が人間たちに差別されている。
家に帰るとホログラムの彼女が待っているが、彼らが永遠に触れ合うことはできない。

更に悲哀を助長する設定として、”K”を含む今作のレプリカントは感受性が人間以上に豊かであるという点。

それはつまり彼らが自身の置かれている現状を理解していながら、何も変えられないことを嫌というほど理解しているということだ。
レプリカント側からアイデンティティの所在を描いている手法はとても新鮮だ。

そこへきて、選ばれし者であるという微かな希望を”K”は持つ。
しかし、彼自身は記憶の入れ物でしかない。
つまり単なる“囮”として存在しているに過ぎない。

こんな悲しいことがあっていいんすか!?
とIWAは気の毒になってしまったっす。

 

しかしラストで雪上で横たわる彼の顔は不思議と安らかだ。

それはデッカードと彼の娘を引き会わせる、という世界を揺るがすきっかけを作ったからだ。
このラストで、ようやく”K”は世界に対しての自分の役割を果たしたことを自覚するんす。

自分は何の為に存在し、どこへ向かうのか。
希望ははたしてこの先にあるのか。
そういった人生への疑問符に対して、彼は最後に決定的解答を得ることができたんす。

悲惨すぎる人生の最期の瞬間にそれを自覚できたということは、彼にとっては幸せなことだったのではないだろうか。
非常に余韻の残る素晴らしいラストシーンっす。

 

また、世界観を構築する未来的ガジェットが今作は素晴らしい
ドローン付きのスピナー(ホバーカー)は一家に一台欲しい位格好良い。
街中にある自販機は不健康そうでブレランっぽくて最高だし、
ウォレスの“目“となる飛行型デバイスは音が気持ち悪くてやっぱり最高。

中でも、ある人物の商売道具である記憶創造装置の造形。
ダイヤルを回してビジョンを微調整し、細部まで記憶を作り上げる。
その一連の動作シーンはダイヤル音のアナログ感と、シームレスに変化するビジョンの未来感が融合し大変心地よくもワクワクする場面となっている。

未来的ガジェットを見ているだけでニヤニヤしてしまうIWAとしては堪らないっす!

 

作品的短所としては、多くの人が感じるであろう場面ごとの尺の長さ=作品の冗長さだ。
予告編を薄く引き伸ばした様なそのテンポの悪さに飽きがくるのは当然で、ここは評価が別れる点だと思うっす。
ただし、IWAとしては”K”の自分探しの旅である世界観にどっぷりと浸かることができる丁度いい尺だと思ったっす。

 

既存の未来感の更にその先、
レプリカントの出産と反乱という人知を超えた問題定義。
この結末を最期まで見届けたいと切に願うっす。

リドリー・スコットとハリソン・フォードが存命のうちに続編を撮って欲しいと思うばかりっす。

そして、この作品がどうか現実の未来を予言したものではありませんように。

 

今回はここまでっす!

折り鶴すら作れませんが、
折り羊にチャレンジしたいIWAでした!

それでは!

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