【浮世絵付き】『ブレックファスト・クラブ』を3分でレビュー

 

映画 浮世絵 似顔絵 ブレックファスト・クラブ

おはようございます!
朝食大好きIWAっす!

 

今回は『ブレックファストクラブ』を3分でレビューっす!
なんだかおいしそうな名前の今作は、1985年公開のアメリカ映画です。
青春映画の金字塔的作品であり、以降同ジャンルの多様な映画作品の基盤を作った記念碑的作品っす!
ジャド・ネルソンは、劇中では厄介な不良野郎を見事に演じているっす!

 

それでは、3分映画レビューをめしあがれー!

自分が何者であるかは自分自身で決めろ

土曜日の補習授業の為に図書館に集まったハイスクールの学生4人。
性格もカーストもバラバラで、それぞれ悩みや重圧を抱えている。
そんな彼等に出された課題は「自分とは何か」というテーマの作文を書くことだった。

 

それぞれを乗せた車が学校に到着する冒頭。
ここで、各個人の車内外のシーンが展開する。
この描写の羅列から、個々の親との関係性・彼等が背負っているプレッシャーなどを観客に短時間で把握させる。
それぞれの性格を含めた人物描写を、この冒頭部分のみでスマートに見せる点が見事である。
この一連の場面が後の告白シーンに説得力を与え、彼等に感情移入させる為の重要なシークエンスとなっている。

 

特筆すべきはジャド・ネルソン演じる不良のジョンの存在である。
綺麗言を吐く学生の上っ面を、彼が躊躇なく剥いでいく展開には不思議な爽快さがある。
彼は常に、”普通”や”社会の常識”というものの外側にいる。
世間で爪はじきにされてきた彼は、いわゆるアウトサイダーである。

そんな彼が、”常識”の規範内で自分を演じながら苦しむ他人の価値観を崩してみせる。
その行動に爽快感を感じるのは、他でもない観客自身が”常識人”を演じている側の存在だからだ。
少なからず自分自身に違和感を感じているからこそ、自由奔放で反抗的なジョンの言動に一種の憧れを持つのである。
その反面、この作品に対しての評価は、4人のうちの誰に感情移入するかで人によって異なるはずだ。
一緒に観た仲間と、そんな価値観の相違を議論し合うことこそ、今作の醍醐味かもしれない。

 

別物だが決して他人事ではない個々の痛みを共有した4人が行う”パーティー”。

この場面は奇妙な高揚感に溢れており、観るものに幸福感をもたらしてくれる。
そしてラストに、冒頭と全く同じモノローグが付く。
これが、冒頭とは決定的に異なった皮肉的意味合いで観客に提示される。
彼等の人生が”本当の自分”に向かって、大きく舵を切った瞬間である。
アナーキー万歳、である。

 

それでは、今回はこの辺でごちそうさまでーす!
次回も映画をおいしくいただきましょー!!

 

2017.9.8

Kenji Iwasaki

▼ご依頼・ご提案・取材のお問合せはコチラ▼

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です