『松の木』の和風・浮世絵風イラストの描き方3ステップ

『松・松の木』 和風・浮世絵風イラスト 描き方 Kenji Iwasaki 岩崎健児

こんにちは。

今回の浮世絵風イラスト講座は
『松の木』の描き方を説明していくっすよ!

 

松竹梅などで何かと
おめでたいイメージがある『松の木』。

歌川広重の風景画や、
他の浮世絵などにも
頻繁に描かれているこの木は
現在でも寺社や仏閣に行くと
たくさん生えています。

 

僕の家の近所にも
大きな神社があるのですが、
今回のイラストを描くにあたって
先日そこに松を観察しに行きました。

夜の19時頃でしたが、
神社の灯りに照らされた松の木は
大変綺麗だったっす。

 

葉の部分をジーっと観察しながら、
同じように僕に向けられる
通行人の冷たい視線には
全力で気付かないふりをするのが
とっても大変でした。

もし最近、
夜の神社で松の木を凝視する
怪しい男を見掛けましたら、
それは恐らく僕なので
生温い笑顔で見守って欲しいっす。

 

それでは浮世絵イラスト講座、
張り切って参りましょう!

枝の描き方は浮世絵的にグニャつかせる

『松・松の木』 和風・浮世絵風イラスト 描き方 Kenji Iwasaki 岩崎健児

『名所江戸百景 八景坂鎧掛松(春の部)』歌川広重

今回お手本となるのは、
コチラの歌川広重の浮世絵。

立派な松の木が海を見下ろしている、
スカーッ!とした抜け感が気持ち良い
作品です。

 

ちなみに八景坂とは
現在のJR大森駅(大田区)の西口前
にある坂のことだそうです。

タイトルの『鎧掛松』という名前は、
平安時代の武将である源義家が
この松に鎧をかけて一休みしたという
逸話に基づいてこう呼ばれていたそうです。

以上、明日から使えるけど
特に役立ちそうもない豆知識でした。

 

さて、
お手本の松の木をよく観察すると
幹や枝が何度も折れ曲がりながら
上に向かって伸びていることが
分かります。

下から右にカーブしたと思ったら
直角に伸びて、左に折れ曲がり、
上に伸びたと思えば、
まるで花火のように四方八方に
枝を散らしながら生えています

大変にアクティビィティに富んだ形状っす。

 

「浮世絵だからって、いくらなんでもデフォルメし過ぎだフォイ!」

そう思い実物の松の木の
写真を見てみましたが、
あながちデフォルメとも
言えませんでした。

『松・松の木』 和風・浮世絵風イラスト 描き方 Kenji Iwasaki 岩崎健児

リメイク版『タイタニック』/主演:松

実物の形も参考にしつつ、
まずは木全体の形を描いていきます。

 

浮世絵風に近づける描き方として
何度も消したり描いたりせず、
一度筆やペン先が赴くままに
自然に線を走らせてみる
良いと思います。

その大まかな線に沿って、
細かい箇所を描いていくと
全体のバランスを崩さずに
表現することができます。

 

ここでは木の幹の大まかな形を
描いたあとに、
枝部分を付け足していくイメージです。

『松・松の木』 和風・浮世絵風イラスト 描き方 Kenji Iwasaki 岩崎健児

左右にグニャグニャとカーブさせつつ
重心が傾き過ぎないように意識すると
綺麗に形が整うっす!

 

次に、幹のゴツゴツした線を
描き加えます。

ここはお手本の浮世絵よりも
実物の松の写真を見ながらの方が
より特徴を掴めるかと思います。

幹の途中に生えた葉の部分を
各所にチョンチョンと描き加えて
基本形は完成です。

『松・松の木』 和風・浮世絵風イラスト 描き方 Kenji Iwasaki 岩崎健児

チクフワな葉の描き方で浮世絵感アップ

『松・松の木』 和風・浮世絵風イラスト 描き方 Kenji Iwasaki 岩崎健児

お手本の浮世絵では、
葉っぱ部分はのような
フワフワした形で描かれています。

これでも十分本物に近いですが、
今回の講座ではIWA流のアレンジを
加えてより“松っぽさ”を演出したいと
思います。

 

松の葉部分は遠くから見ると
上記の画像通りなのですが、
近くで見ると
めっちゃくちゃにチクチクしています。

夜の神社で小一時間も松の葉を
観察していた僕が言うのだから
間違いありません

こんな感じです。

『松・松の木』 和風・浮世絵風イラスト 描き方 Kenji Iwasaki 岩崎健児

チックチクやぞ

このチクチクを扇状に枝の各所に
配置していきます。

『松・松の木』 和風・浮世絵風イラスト 描き方 Kenji Iwasaki 岩崎健児

いかがでしょうか、
だいぶ松っぽくなってきました。

ここに同じように扇形の雲を
描き加えていきます。

『松・松の木』 和風・浮世絵風イラスト 描き方 Kenji Iwasaki 岩崎健児

僕は筆でベタ塗りしましたが、
形だけ描いて後で中を塗っても
大丈夫です。

これで線部分は完成っす!

 

浮世絵風松のカラバリは意外と無限大

着色はシンプルに、
木肌部分は一色で塗ります。
濃い目の茶・橙・緑などの色
塗ると浮世絵風の色味が出ます。

葉部分はお手本の浮世絵通りに
くすんだ緑、もしくは黒で塗ります。

『松・松の木』 和風・浮世絵風イラスト 描き方 Kenji Iwasaki 岩崎健児

 

実際の松の木は茶色ですが、
浮世絵風に描く際は
基本形さえしっかり描けていれば
実は色は何色でも様になります

 

『松・松の木』 和風・浮世絵風イラスト 描き方 Kenji Iwasaki 岩崎健児

こんな色でも、

『松・松の木』 和風・浮世絵風イラスト 描き方 Kenji Iwasaki 岩崎健児

こんな風に塗っても、
松の木であると認識することが
できます。

 

いかがでしょうか?

好みの色に塗って、
自分だけの“推し松”
描いてみるのも乙ではない
でしょうか。

と、何だか予想外のまとめ方となって
しまいましたが、
最後に今回のおさらいです!

 

・幹や枝はジグザグと極端にカーブさせる!

・葉部分は扇状のトゲと雲の形を組み合わせる!

・木肌部分はベタ塗り一色!葉部分は黒か緑に!

 

是非、楽しんで
描いて頂ければ幸いです。

それではまた次回。

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