フォースと共にIWAっす!
今回は、
『スターウォーズ 最後のジェダイ』
を和風・浮世絵風イラスト付きで
3分でレビューっす!
『スターウォーズ フォースの覚醒』
から連なる新三部作の中間地点となる、エピソード8っす。
公開されるや否や、
興行収入に反して全世界で賛否両論を巻き起こしたといういわく付きの作品っす。
そんなライトサイドとダークサイドの狭間で揺れ動く今作を3分レビュー!
がんばれカイロ・レン!
※作品の核心に触れる記述は多め
Contents
現実世界との異様な距離感
レイア・オーガナ将軍(キャリー・フィッシャー)率いるレジスタンスは見事ファースト・オーダーの新兵器スターキラーを打ち破ることに成功。
しかし、最高指導者スノーク(アンディ・サーキス)の魔の手は徐々に銀河星系全体に広がっていた。
レイア(デイジー・リドリー)とチューバッカ(ヨーナス・スオタモ)は伝説のジェダイマスターであるルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)の助力を得ようとするが…
結論から言うと、
スターウォーズ作品としては失格
映画作品としても失格
ただし、
現代的寓話としてはよくやった!っす。
スターウォーズ(以下SW)とは代々、
家族間の争いを宇宙規模で描いている作品として有名っす。
ただし今作は結末も含め、
家族という全体主義的思想からの脱却を描いているっす。
これはうがった見方をすれば、
我々がいる現実世界における核家族化、ひいてはSNSやブログを駆使しながら台頭していく現代人の姿を投影しているものだと僕は感じたっす。
個人の主義主張を簡単にネットに投げ込むことができ、会社に属さなくともPC一台あれば一人でも収益を生み出してしまえる現代のシステムを描いているのではないかとも思えたっす。
また、中盤のレイアの台詞である、
「ヒーローになることではなく
希望を繋ぐことが何よりも大事だ」
というセリフが象徴するように、
今作ではスターシップの整備士であるローズ(ケリー・マリー・トラン)の奮闘や、レイアの代理のホルド提督(ローラ・ダーン)の玉砕がクローズアップされる。
彼女たちは決して特別ではなく、
ヒーローになれなかった人たちである。
そんな彼女たちの奮闘そのものが文字通り希望を繋いでいく、という演出には「個」に対しての全力の讃歌が感じられとても胸が熱くなったっす。
そんな「個」へのラブレター演出が
極に達するのがレイの出自を巡る展開っす。
『フォースの覚醒』から散々引っ張ってきたこのミステリー要素の着地を、全世界のSWファンは固唾を飲んで待っていたはず。
それがなんと、
“レイはサラブレッドではなかった”
という展開。
これは合わせ鏡のクドい演出からも解る通り、彼女は血筋に捕らわれることがない正真正銘の独立した「個人」であることを表しているっす。
この展開については、
「個人でも特別な存在になりうる」
というメッセージであり、
全世界の「ヒーローでない人々」
=観客席にいる我々に向けたエールなのではないかと思ったっす。
ラストの少年の存在もまた、
「個」への希望を投影したものであることは間違いない。
他にも、
裕福層と労働者階級との対比や
武器商人の漁夫の利などの
現代的テーマをSWの雛形を借りて作った点が挑戦的っす。
以上を見ると、
SWと我々が生きる現代世界との距離感が異様に縮まったことがわかるっす。
物語としては致命的
しかし、上記のの個人の礼賛というテーマを描いた弊害に、SWの銀河をまたにかける対戦という世界観が縮小してしまったっす。
前述したレイの出自が呆れるほどなんでもなかった点においてはやはり好き嫌いが別れる。
この部分は作品テーマに直結している箇所であるため、ここ一つで作品全体の評価が決まってしまうシビアな設定をよくもまあ大胆にブチ込んだものだと思ったす。
また、今作は物語運びに難があり、
レジスタンスパート→レイ・ルークパート→ファースト・オーダーパートというワンパターンな見せ方のループに早い段階で飽きがくるっす。
空中戦の見せ場が連続するのもやや飽食的であるし、DJ(ベニチオ・デルトロ)の存在はいくら何でも都合が良すぎないか?と眉をひそめてしまったっす。
あと、両軍の内輪揉めのシーンとか半分くらいカットすれば、まだスムーズに観られたのではと残念に思ったっす。
など、色々な意味で問題作ですが、
現代的テーマの盛り込み方に秀でた作品なので、バッサリ切って捨てることもできない愛着のあるSW作品となってしまったっす。
それでは今回はこの辺で!
故キャリー・フィッシャーに
多大なる愛を。
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