【浮世絵付き】『ムーンライト』を3分でレビュー

 

映画 ムーンライト 浮世絵

こんにちは、そしてお仕置きよ!
月に代わって、IWAさんっす!

今回は『ムーンライト』の3分映画レビューをお届けっす!
劇中では主人公の父親代わりとして登場する、頼れるドラッグディーラーダディっす。
いじめられっ子の主人公の心を救った重要な存在であり、こんなダディが身近にいたらIWAも立派なドラッグディーラーになれていたと思うっす。

それでは、3分映画レビュー!!
ムーンプリズムパワー!メーイクアーップ!!

色彩設計の大勝利

黒人少年のシャロンはゲイであるがために幼少期よりいじめを受けていた。
ドラッグ中毒の母親からは半分育児放棄を受けており、彼の心は疎外感と孤独に満ちていた。
そんな日々の中、麻薬の売人であるフアンに出会ったシャロンは少しずつ自分が何者かを学んでいく。
そして月が浜辺を青く照らす夜、シャロンにとって忘れられない出来事が起きる。

人種問題やLGBTの問題提起ではなく、あくまで一人の人間の人生に寄り添う描き方を一貫した点が潔い。
黒人問題やセクシャルマイノリティとは社会問題などではなく、個人が持つ圧倒的個性である。
それを体現するかのように唯一無二の存在感を見せる主人公のシャロン。
三人の俳優が演じ分けた彼には、丸まった背中や突き出した下唇の等の外見的特徴がある。
しかしそれ以上に瞳に宿る、拭うことのできない世界への反抗感が凄まじい。
このことからムーンライトは大変ミニマムに作られた個人の物語であることがわかる。

特筆すべきは映画全体のカラーリングだ。
原作である戯曲
“In Moonlight Black Boys Look Blue(訳:月明りは黒人少年を青く照らす)”
にならい、映画全体の色彩を青く統制している。
月明りが世界を青く包んだ時、それは人種や性別を超えて人々は美しく輝くだろう。
作中では主人公の黒い肌に何色もの光が反射し、人は何色にも染まれる・何通りもの生き方ができることを静かに肯定している。

また終盤、ある人物が主人公の為に丁寧に料理を作るシーンが大変素晴らしい。
この一連の場面には台詞は一切無い。
しかし料理を作る指先からその人物が主人公にどれだけの愛を抱いているか、それが如実に伝わる非常に感動的な名場面となっている。
舐める様なカメラアングルや過剰なまでに被写体に接近する画、艶やかな色彩統制が結集した末に素晴らしく色気のある作品となった。

月を守護にもつ今宵はここまでっすよ!
次回も愛と正義とともにお送りっす!
それでは。

 

2017.8.30

Kenji Iwasaki

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